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忘れ得ぬ彼の年一九四七
2012-02-28 Tue 02:28

台湾歌壇の蘇楠榮先輩の 『 南 島 に 息 吹 く ー 蘇 南 瀛 歌 集 』 より

蘇楠榮先輩  歌集「南島に息吹く」 
 

「 忘 れ 得 ぬ 彼 の 年 一 九 四 七 」

―――それは日本敗戦の後一年半、作者が大学一年生の二学期、十八歳四ヶ月の時のことであった。そしてこれらの歌は二○○九年一月にかけて作ったものである。


   殺されも殺しもせずに生き延びし落人の我一九四七

     
   戒厳の布告読み居し三人が巡邏の隊に射殺されしとふ

    
   北門の物見の衆に急掃射命拾ひし韋駄天我は


   雨の夜のルーズベルト路石の道巡邏車に遭ひ氷背を走す

 
   集へるも武器領(と)りのどち桃園ゆ疲労困憊徒手にて返る


   戒厳下ひと日通じし汽車に馳せ兇都脱出桃園目ざす


   義勇軍の有りと聞きしも来て見れば伍長囲みて二十幾たり


   機銃すえし憲兵隊を襲ふとか震へつつ聞く雨の冬の夜


   日軍の埋めたるといふ手榴弾唯一の武器と心して持つ


   配られたる手榴弾持て跳び入れば警官手を挙げ銃器庫開く


   日本刀さげて下山せし酋長は抗戦無謀と出兵拒む


   思ひきやかの医学士の酋長の他日睨まれ露と消えんとは


   基隆と高雄に大軍上陸と報せのありて衆心搖らぐ


   奪ひたる銃持て集ひし角板山勝目なしとて解散となる


   二二八の我は落人故き友と銃捨て難てに野をさまよひし


   銃肩に夕陽の浅瀬を渉りにきそのせせらぎの澄める思ひ出


   用なさず葬る銃よ腹いせに森に向ひて「轟」と一撃


   乗せくれしトラックの上に銃構へ検査の站を不意に駈け抜く


   月無き夜とある山辺の崖下に銃を埋めにき涙もろとも


   敵ひとり屠らず埋めしゴムマントの中の火筒よ六十年の銹


   栓抜ける榴弾秘めて哨兵の前過ぎし夜の胸のどよめき


   銃なき日ホームにしゃがみ飯食らふ敵兵睨みて空(から)歯がみせし


   名を知らぬ案内入れて四銃士学友(とも)等先立ち早やも幾とせ


   云はざりし十(と)八の歳の「二二八」を八十路に語る長らへしかも



              蘇楠榮先輩(18#27506;)
           台湾大学入学。一九四六年九月。
      「忘れ得ぬ彼の年一九四七」の歌の半年前の蘇楠榮先輩。




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