新高山百合
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日本語世代の台湾人の心の叫び
2011-02-20 Sun 15:58

半年毎に発行される「台湾歌壇」の歌集には、会員の十二首詠のほかに、半年間の毎月の歌会詠草と、運営委員達による前回の歌集の作品の歌評が掲載されています。

日本語が十分ではない私にとっては、歌評の説明を読むことで、作者の歌の内容の理解が深まるだけでなく、歌評を書かれた人の感動をも体得できるのです。

例えば前に披露した短歌の中で、第六集の歌集(06年12月発行) 楊瑞麟先輩の作品で、
○ 君が代が一日にて禁歌となり戸惑ふ我等善良なる民                  

第七集の歌集(07年6月発行)の中で、黄教子(三宅教子)事務局長はこの歌に対して次のような評をしておられます。

―――― 「日本語族」というタイトルの十二首詠の一首、日本語族の中では比較的若く、物静かな紳士の楊瑞麟さんが、今は意識不明のまま病床にあられることは予想だにしなかったことである。

日本時代に教えられた国歌が一日で歌うことを禁じられる境遇に変わり、善良なる民として学び生活してきた台湾の人々の戸惑いは如何ばかりだったかとこの歌を読んで胸痛む。

それは国歌だけに止まらない。ものの考え方、生活様式一切が変わって行く中で、善良すぎたゆえに塗炭の苦しみを嘗めたり消された人も多かった。

戦後の台湾は国際的にはまことに曖昧な宙吊り状態のままで、それでも善良なる民は努力奮闘して経済的な奇跡を生み出し、民主国家への道を邁進している。

しかし、虎視耽々として麗しの国を横取りしようとしているものの存在が大きくのしかかっている。作者の奇跡的な快復をお祈りするとともに、善良なる民の住む台湾の明日を祈らずにはいられない。――――

楊瑞麟先輩の歌に三宅さんがこのように感じられたこと。
三宅さんの台湾の歴史と日本語世代の心境を理解した歌評も私の心を打ちました。

楊瑞麟先輩が発表された作品から「日本語族」に関する短歌を選んでみます。

    社会には適用しない短歌を詠む日本語族は時代の産物

    伝統の短歌俳句が今もなほ異国の台湾に詠み続けらる

    短歌詠み俳句も作る老い我の心の糧は日々豊かなり

    短歌会は日本語族の集ひの場大和心がいたる所に

    短歌会の通常用語は日本語で造詣の深さに客は瞠目す
 
    短歌会の八十路はうろちょろ古稀わらべ白髪に杖と日本の唱歌

    短歌会の後に奏づるハーモニカに日本語族は昔に返る

    子も孫も読んで解らぬこの短歌を大切にして旅の道連れに



楊瑞麟先輩は2008年に病気で亡くなられ、残念にも私はお逢いする機会がありませんでしたが、楊先輩の短歌を通じての、先輩の台湾への愛と憂国の思いが深い共鳴を呼び起こしました。

    「望春風」テレビ番組より流れ台湾の傷メロディーに咽ぶ

    神の加護春の日うらら微風に熱血ほとぼり手を繋ぐ台湾

    帰り行く人手に旗が揺れてゐる神よ加護せよ茨の台湾

    小さきも二千余万の民のある台湾に国連扉をあけよ

    赤嵐何故に台湾吹き荒ぶ汝育める素朴なる島を

    何時解くる与野党意識の対立に台湾丸は波にもまれて

    野党与党あら探しより国務あり台湾の未来如何に思ふや

    喚くより心静めて国思へ舵取る人も櫓を漕ぐ人も



短歌を通じて、異なる世代の方々と心を通じ合わせることができ、言霊の力を改めて実感しました。

最後に歌壇の先輩達が楊瑞麟先輩に捧げた弔歌を紹介します。

    台湾の歌壇の麒麟児千の風になりて駆けゆく台湾の空を     蔡西川

    瑞麟氏病の床にも短歌を詠む歌人の鑑と言はざらめやも    潘達仁

    我よりも八つを若き君なるに何故に急ぐか黄泉路への旅     黄華浥

    思ひ出は三十一文字の永遠にあり友の冥福切に祈りて     呉戀雲

    にこやかな君が笑顔を偲びつつ弔ひの歌読むは悲しも     蔡焜燦

    歌会を陰より支えくれましし静かなる君の微笑み永久に     黄教子






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この記事のコメント
#320 新高山
”社会には適用しない短歌を詠む日本語族は時代の産物”と詠んだ楊瑞麟さんはどんなに空しい気持ちであっただろう。我々は今こそ彼らの声を聞くべきで、日台の戦後世代は彼らをこのような境遇にしてはならない。
楊瑞麟さんの憂国の思いを無駄にしないように心掛けたいと思います。そんな人が増えるように千の風となって台湾の空から見守ってくれているのではないでしょうか?
会ったこともない人が歌を通じて強烈なインパクトを与えてくれています。また楊瑞麟さんの台湾を憂う気持ちと人柄がよく伝わってくる気がします。
日本語世代の方々が何時までもお元気で活躍をされることを願わずにいられません。
また大変に良い記事をUPして頂き有難う御座いました。コメントが支離滅裂でまとまらなくてすみません。
2011-02-22 Tue 19:17 | URL | subalan #-[ 内容変更]
#323
高砂義勇兵には、戦中お世話になりありがとうございました。
敗戦の色濃くなったころ、部隊は食糧難で後方の陣地から調達してくるよう命令された高砂義勇兵。なんと、後で食糧には手を付けずに餓死していた姿が発見された…と。
この話を聞いた時、涙が込み上げてきて仕方ありませんでした。

食糧は有るんです…自分の背中に。いくら日本軍の軍規が厳しいとはいえ、部隊の食糧を背中に背負ったまま餓死していた…と言うんです。

これが台湾人なんですね。

中国人とは別物です。
台湾は台湾国として独立し世界に認められるべきです。
日本政府は腐っています。アメリカのポチですから仕方ありませんけど。

日本はまだアメリカの占領統治下です。早く独立しなければ…(笑)

2011-02-24 Thu 01:53 | URL | ペリュリュー島 #-[ 内容変更]
#325 subalanさんへ
こちらこそ詳しく読んでいただき感謝いたします。
日本語世代の愛国心と人格、素養は台湾のその他の世代に比べて高いです。かつての教育が正確だったということなのです。

○ 赤嵐何故に台湾吹き荒ぶ汝育める素朴なる島を

楊瑞麟先輩のこの歌は台湾で生まれながら台湾にアイデンティティを持てず、心は彼らの祖国にある在台シナ人を詠んだものです。
あの「反台親中」の人々に対する私たちの悲しみ、怒りを歌ったものなのです。
日本にもこういった問題があるようですね。
2011-02-24 Thu 13:39 | URL | 新高山百合 #-[ 内容変更]
#330 ペリュリュー島様へ
返事が大変遅くなり申し訳ございません。
コメントを頂き、また、台湾を支持して頂き感謝いたします。

私が日本の友人から高砂義勇隊の事績を初めて聞かされたときも、貴方と同じように感動しました。

以前私はアメリカの被害者は国民党を派遣された台湾だけかと思っていましたが、戰後の日本もそうだったのですね・・・

ペリリュー島が「天皇の島」と呼ばれると友人に教えられました。
英雄的な奮戦で「サクラサクラ」と打電して全員玉砕したそうですね。

今後ともよろしくお願いいたします。
2011-03-01 Tue 17:18 | URL | 新高山百合 #-[ 内容変更]
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