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【転載】 「和歌」に込められたメッセージ
2011-11-11 Fri 20:35

心に沁みる文章なので、日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」から転載させていただきました。


【メルマガ日台共栄:第1448号】
「和歌」に込められたメッセージ  岡田 邦宏(日本政策研究センター所長)
http://melma.com/backnumber_100557_5333627/

東日本大震災から8ヵ月が過ぎようとしています。亡くなられた方は1万5,835人、行方不明の方はまだ3,668人もいます(11月8日、警察庁緊急災害警備本部発表)。1999年9月21日に起こった台湾大地震で亡くなられた方は2,415人。日本の行方不明者の数が上回っているという現況です。

それほどに大きな災害だったことに改めて慄然とします。しかし、もう8ヵ月です。つい最近、8ヵ月ぶりに遺体が見つかったというニュースがありました。倉庫の解体作業にあたっていた業者が、倉庫内に積み上がっていたがれきや土砂などの下で発見したそうで、ご遺族の娘さんは「うれしくて、声も出なかった。やっと3人一緒のお墓に入れられます」と話していたといいます。

倉庫や家屋を解体するには所有者の許可が必要とのことで、未だ法的に緊急時の対応ができずにいます。台湾大地震が起こったとき、総統だった李登輝氏は4日目に6ヶ月限定の「緊急命令」を発動して、現行法令の制限を受けない措置を取ったことを思い出します。日本では未だに現行法令が障害となって、行方不明者の発見をはばんでいるのです。これはやはり人災というしかありません。

未だこのような状況にあるとき、改めて台湾からの大きな支援が思い出されます。物資や200億円を超える義捐金ばかりでなく、李登輝元総統が繰り返して出されていたメッセージや「台湾歌壇」の方々の和歌による心の支援を思い出します。どれほど日本人の心を癒し、そして支えになったか──。

日本政策研究センター(伊藤哲夫代表)の岡田邦宏(おかだ・くにひろ)所長が、その発行する月刊「明日への選択」というオピニオン誌の11月号の「付録」で、台湾歌壇や韓国の方の歌を紹介しつつ、「かつての日本」にあって、いま失ってしまった価値観について書かれています。

岡田氏の了承をいただきましたので、下記にご紹介します。この東日本大震災を機に、かつての日本人が持っていた慎みや忍耐、そして「毅然」を取り戻したいものです。

なお、冒頭の部分は日本政策研究センターが行った研修会のことでしたので割愛させていただいたことをお断りします。また、月刊「明日への選択」は非常にクオリティの高い雑誌で、台湾のこともたびたび取り上げています。皆様にもお勧めします。下記のホームページから申し込めます。
・日本政策研究センター  http://www.seisaku-center.net/
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「和歌」に込められたメッセージ  岡田邦宏(日本政策研究センター所長)
【月刊「明日への選択」:平成23(2011)年11月号「付録」】

◆「秩序乱れぬ大和の民ぞ」

東日本大震災は、日本人をして「国家と共同体」の厳然たる価値というものに目をむけさせました。既に大震災より7ヵ月が経過しようとしていますが、この国民的体験を風化させることなく、「国家と共同体」の価値、とりわけそうした価値が日本の歴史と伝統と文化のなかで育まれてきたものだということをもっと広く訴え続けなければならないと考えています。

震災に直面した日本人が、冷静で、思いやりを失わず、秩序だって行動したことが世界中から賞賛されたことはご承知の通りですが、海外から寄せられた声のなかで、そうした日本人の「美質」が、日本の歴史や伝統のなかで育まれたものであることを感じさせられる例を紹介したいと思います。

それは大震災にあたって海外から寄せられた「和歌」です。台湾では、かつての日本時代に日本語教育を受けた人だけでなく新たに日本語を学ぶ学生を中心に和歌に親しむ人がおられると聞いていましたが、大震災の後、日本を思って詠んだ和歌が発表されています。一部は新聞などでも報じられましたが、その原本を日本李登輝友の会の柚原事務局長からお借りし、『台湾歌壇』(第15集)と義守大学応用日本語学科が発行している俳句・短歌の雑誌『ゆうかりぶたす』(第2号)から、いくつか紹介させていただきます(括弧内は作者名)。解説は不要だと思います。

・ 雪の夜は如何に過すや校舎にて疎(すく)む避難者よ我も眠れず (黄振聲)

・ 国難の地震(なゐ)と津波に襲はるる祖国護れと若人励ます (蔡焜燦)

・ 未曽有なる大震災に見舞はれど秩序乱れぬ大和の民ぞ (黄昆堅)

・ 原子炉の修理に赴く男の子らの「後を頼む」に涙止まらず (林美)

・ 荒れ狂ふ津波に避難報道す大和女(やまとをみな)の勲(いさお)雄雄しき (李錦上)

・ 大君も后の宮(きさいのみや)も艱難をともにと思(おぼ)して節電めさる (黄教子)

・ 民の嘆きわが身のごとく思し召す陛下の御姿ただに畏(かしこ)む (同)


この2冊には他にも百数十首が掲載されていますが、読み進むにつれて心が打ち震えるのを憶えました。被災者に寄せる思いの深さ、秩序だった行動や勇気ある行動に対する感銘とかつての「祖国」であるがゆえの誇り、そして天皇皇后両陛下のお姿への感動──知ってはいましたが、こんな癖まで日本のことを深く思っていてくれる方々がおられるかと改めて感激し、目頭が熱くなります。ちなみに、2首目の作者、蔡焜燦先生は『台湾人と日本精神(リップンチェンシン)』の著者として知られ、センターの台湾視察では大変お世話になっている方です。

この他にも、韓国人でも歌を寄せた人がいたことを最近になって知りました。戦前の日本で佐々木信綱に師事して和歌の道に入り、韓国では珍しい女流歌人であった孫戸妊さんを母にもつ、詩人・李承信さんが大震災にあたって詠んだ歌を産経新聞(10月8日)のコラムが紹介していました。

・ 惨事にもなお慎ましきその列は切なる祈り吾らへの教示

・ 危機の中さらに際立つ真(まこと)の美日本の配慮と忍耐こそ


「反日」の国でも、日本の「美質」をきちんと理解し称える人がいるとは驚きでした。

◆心に刻まれた「日本の価値」

それにしても、台湾の方々の正確な言葉遣いと作歌ぶりは、歌心の乏しい私などより余程日本人らしいと思えます。中国紙が「道徳の血が流れている」と驚嘆し、またロシア紙は「驚くべき自己統制と、他者への気遣い」を賞賛しましたが、紹介した歌に込められているのはそれとは明らかに違う次元のものです。

むろん、日本の伝統である和歌という形を通してだからかもしれませんが、かつての(戦前の)日本人がこの震災に遭遇していれば、こんな和歌を詠んだのではあるまいか──台湾の方々の和歌は、そんなかつての日本人からのメッセージのように思えて来るのです。

考えて見れば、これは決して不思議なことではないように思えます。60数年を経た今日もこれほど立派な和歌を詠むことを可能にしたほど、戦前に日本語を学んだ方々の心のなかに、「かつての日本」の価値が深く刻み込まれており、大震災に際して今の日本人が示した整然とした秩序や冷静さ、また公に対する勇気ある献身など「かつての国本」が持っていた「価値」と共鳴した──こう考えることができるからです。

韓国の詩人は、「真の美」と詠んだ「慎み」「忍耐」などの価値について、

・ その節制、忍耐、配慮、その毅然、亡き母の内に吾見たるもの

と詠んでいます。彼は、そうした「価値」を、日本統治時代に教育を受け戦後も歌を詠み続けた「亡き母」を通して見出しでいるのです。

◆「かつての日本」からのメッセージ

言葉を換えて言えば、こうした人たちの心に刻まれるほどの「価値観」を「かつての日本」が持っていたと言うことも出来るでしょう。

その一方で、ならば戦後の日本はどうだったのかと考えると、そんな外国人の心に刻まれるほどの「価値観」を持っていなかった、ということに思い至ります。「配慮」はともかく、「慎み」「忍耐」、とりわけ「毅然」は、どこにあるのでしょうか。台湾の人たちが感銘をもって詠んだ「公への勇気ある献身」をわれわれはどれほど大切にしてきたでしょうか。否という他ありません。むしろ、それらはみな「かつての日本」において、尊ばれるべき価値であり、そうした「かつての日本」の価値を否定するところから出発したのが戦後の日本だったとさえ言えます。

憲法は「すべて国民は、個人として尊重される」と言い、教科書は専ら「個人が大切だ」と教えてきました。しかし、日本の精神的基盤というものから離れた個人などは空想でしかありません。

外国からの和歌は、その「精神的基盤」がどこにあったのかを今の日本人に指し示すと同時に、今の日本はどうかと問いかける「かつての日本」からのメッセージとして受け止めたいと思うのです。




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台湾からの祈りと激励を短歌で・・・
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この記事のコメント
#409
日本語族の先輩方の執筆された本を少しづつ読ませていただいております。
日本の先輩方と同様に亜細亜の礎になられたことに敬意と感謝の念を常にもっていることをこの場を借りてお報せし、両国に奉公できる人材になれるよう精進することをお約束します。
改めて、義捐金ありがとうございました。
次回も台湾歌壇を楽しみにしております。
2012-04-01 Sun 19:06 | URL | 富士夫 #-[ 内容変更]
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